2013年9月19日木曜日

<俳アレ>レッスン体験記 〜オーディション合格編〜

今回は池袋のヴォイス&アクターズ道場の門下生でいらっしゃる
山本さゆりさんからコメントを頂きました。
それまで「身体の地図づくり」のレッスンはありましたが
実際に手を使ったアレクサンダーテクニックのレッスンは2、3回ほどで
初めてのオーディションの機会があり
彼女曰く、出したい声が出せたことで見事パスされたようです。
八月のシンビアンにおける短期イントロクラス終了後に頂いたアンケートを
ご本人の了解をいただき掲載させていただきます。

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問)アレクサンダーテクニックのレッスンは何度目くらいですか?

道場を抜けば一回目です。道場のレッスンを入れれば10回は越えているかと思います。

問)今回の俳アレワークショップを受けるまで、アレクサンダーテクニックをどのようなものだと思ってましたか。また、ワークショップ後その理解はどのように変化しましたか。

以前はアレクサンダー・テクニック自体を知りませんでした。
レッスンを受けた後は自分の身体の知らない事、使えていなかった箇所が具体的に分かり、また身体の使い方を変える事による演技の違いも明確にわかり身体を使う表現にとても有効だと思いました。

問)俳アレワークショップを受けて、これまで知らなかった、もしくはへー!と驚いたことがあればあげてください。

体の事としては、股関節まで上半身だったこと。下顎は頭に入らない。脊椎に頭が上手に乗っていないことにより他に負担が掛かっている、など自分の認識の違いがたくさんありました。
俳アレとしては、脊椎の上に頭があり自由に動かせるお願いを自分にかけながら『望み』を明確にするだけで(それを突き詰めるのも難しいですが)望みに向かった声が出せる、アクションができる。
声の悩みを持っていた私にとって、これを実際に体験した時は本当に驚きました。

問)レッスンのなかで、どのようなことに俳アレを試してみましたか。また、なぜそれを試してみようと思ったのですか。

相手の言葉を受けて、返す事を試してみました。
相手の演技が変わっても自分の用意してきた演技を貫いてしまう、私の課題でもあり、また自分から訴えるだけでなく、会話の中で変わっていく気持ちにも有効なのかやってみたかったからです。

問)実際に俳アレを演技に使ってみてどうでしたか。どのような効果、変化を実感、体験しましたか?

まず、俳アレを試してみて自分の『望み』が明確では無いことに気付きました。
しかし、望みを明確にすることにより相手が変わっても演技が変わっても、明確な望みに向かって行く事により柔軟に対応できる事が分かりました。
役の一貫性がぶれなくなりました。

問)俳アレを試してみて、俳優としてこのテクニックに対する興味は持てましたか。持てた場合は今後俳優の活動のどのような場面に使ってみたいと思いましたか?

とても持てました。
これからも自分の芝居に組み込んでみたいと思います。
また、私はオーディションでこのテクニックを使うことにより
自分で考えてきた理想の声を出す事ができ、オーディションに受かったことがあるので、色々な事に応用して使うこともできると思いました。

問)演技レッスンと俳アレレッスンとを比較して、その違いについてあなたの印象をお聞かせください。また今後どのようなスタイルのレッスンを望むかご要望があればお聞かせください。

俳アレレッスンでは、自分の演技で悩んでいる箇所にダイレクトに効きます。身体の余分なところを使ってる事により理想の演技ができていない、とか
俳アレを使っているつもりでも、望みが明確で無いことにより機能していないなど具体的に分かるので改善もしやすいです。
また、他のシーンにも応用できると思うので他の理想的に出来なかった演技も見詰め直せ改善できると思いました。

問)今回の俳アレWSを終えた現時点で、何かあなたが抱く疑問や不安、または今後の希望や期待はありますか。

今の時点では、私にとって俳アレがとても有効に機能するので自分の演技に組み込み『望み』を明確にした芝居をしたいと思います。不安は『望み』が曖昧にならないか、です。
望みが実際にやりたいアクションと違う事により、理想の演技に近付けてない事を経験しているのでちゃんと望みを見つけだせるかが心配です。
希望はこのままのレッスンスタイルであって欲しいです。
私にとって、その場で台本を配って芝居を始める演技レッスンより、自分の課題について考え改善するレッスンの方が、俳アレをより実感できるし自分で応用もしやすいと思うからです。

問)その他、思い浮かんだ感想をご自由にお書きください。

この俳アレは私にとって、演技でも有効に使えますがその他にも使えると思いました。
頭が脊椎の上で自由に動ける、この事を理解することにより身体に余計な負担を掛けていた事も分かり、日常生活での身体の使い方も変わりました。
歩き方やストレッチに組み込んでみましたが、どれだけ身体を使えて無かったか分かったと同時に身体の伸び方や疲労の違いに改めてこのテクニックの有効さを感じました。
芝居では、役の一貫性がより強くなり前より自由に演技ができるようになったと感じます。
私はこのテクニックに出会って良いこと尽くめです!
芝居の課題は進むし、オーディションは受かったし身体の負担も減りましたし、本当にこのテクニックと教えて頂いたカズさんにお会いすることができて良かったと思います。
ありがとうございました。

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上記の体験記のなかで山本さんが「望み」ということばを何度も使っています。

これはある意味で<俳優のためのアレクサンダーテクニック>を使うにあたって必要不可欠なものと言えるかもしれません。

要するに、何がしたいのか?何のために俳アレを使いたいのか?
どのような演技がしたいのか?そういうものを指しています。
もっと演技術的言い方をすれば、具体的な演技プランはどんなものか?
それをアクション(動詞)で言うならどのようなものか?
そういうことになるでしょう。

もちろん、場合によっては「演技術」とは角度が異なる視点の
「演じる動機」まで広げて意味することもありえます。

俳優には必ず具体的な「演技プラン」があるはずです。
その「演技プラン」に「俳アレプラン」をプラスすることで
その「演技プラン」がグーンとプラン通りに実現されやすくなるのです。
その結果が望むものでなければ「演技プラン」を変更すれば大丈夫です。
俳優が考えたことを考えたように実現させる力が俳アレにはありますので
俳アレを使うことでその俳優の「演技プラン」が
的を射たものか否かがすぐに分かるようにもなります。

山本さんはタイミングといいテクニックの特性といい
俳アレと相性がピッタリだったようです。
レッスンにおいてはあくまでも演技のための俳アレでしたが
そくざに日常生活にも応用している様子からは
彼女の俳優としての素晴らしい資質をうかがい知ることが出来ます。

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