正しい演技はありません。
しかし、演技を組み立てるための正しい手順はあります。
主義趣向によって多少考え方が分かれるかもしれませんが
演技のクラスでは基本的にこれを学びます。
(一個人の好き嫌いでジャッジされるような演技レッスンは論外です)
ちなみに、私が長年関わっているシンビアンでは
グローバルスタンダードな手順を提供しています。
しかし
演じるために何をすればいいかが分かってて
それをその通りにやっているのに上手くいかないという方がいます。
…実は少なくありません。
他のみんなは上手くできるのに自分はそうならない。
時折り上手くいくこともあるけれど
いつもそうなるわけじゃなく、結局は望むようにならない。
正しい手順を学び、その通りにしているのに上手くいかないとしたら確かに悩みます。
どうしたらよいでしょう。
そのような時は、それまでよりも
より繊細に考える必要があるでしょう。
そうやってみな芸を磨いていきます。
+++ +++ +++
でも、より繊細に考えることをしない人たちもいます。
例えばこんな感じに・・・
ある人は、単に自分の努力が足りないのではないだろうか?と考え始めます。
しかしお稽古は単に量の問題ではありません、大切なのはその質です。
乱暴な稽古(本番も)を重ねることは本当の訓練ではありません。
却って心身にダメージを与えたり
知らず知らず変な癖を修得してしまったりしてしまいます。
また何人かの方は、自分には才能がないのだろうか?と考えます。
でも、演技は誰でもできる芸術表現です。
それこそ正しい手順はそのようにやれば誰でも出来るから正しいのです。
飛び抜けた個性・・・などと云いますが
誰でも出来る基本をやらずに個性などは成り立ちません。
なかには、学んだ手順に疑惑を持ち始める人もいるかもしれません。
多くの偉大な俳優たちにより洗練されてきた手順にです。
もちろんそれだけが絶対ではありませんが
それならば新しいアイデアを何としてでも見つけることです。
自ら、より繊細に考えることで・・・。
いずれにしても、これでは残念なことです。
+++ +++ +++
一生懸命レッスンに通って演じる手順を学び、真摯に演技に取り組んでる皆さん。
もし、それをやっても望むような結果が出てないとしたら
それまでと同じような考え方でいることから
より繊細に一つ一つの手順を考え直すことをしていきましょう。
それは、ある意味では大きなチャンスなのです。
本当に学び、本当に使える自分のスキルを獲得するチャンスです。
受け身の学習ではなく、自分主導で自分自身のためのスキルを磨くのです。
例えば、映像化…イメージをつくるという作業ひとつにしても
その作り方によっては全く演技に機能しないどころか
パフォーマンスを落としてしまう恐れのあるものもあります。
役づくりも、その過程を繊細に行わないことで
逆に演じづらくなってしまったり
下手をすると俳優としてその後の活動に影響してしまうほどに
ダメージを残してしまうことも少なくありません。
学んできた手順を「どのように」より繊細に考えれば
望むような演技にスムーズに近づくことができ
リハーサルや本番のパフォーマンスを助け
唯一無二の商売道具である俳優の<楽器>に与えるダメージを減らすことができるか…
このお手伝いができるのが
<俳優のためのアレクサンダーテクニック…俳アレ>です。
俳アレは「何をするか」には基本的には関わりません。
その「すること…演技を組み立てるための作業」に対して
それを「どのようにするか」を考え実行していくテクニックです。
Whatテクニックではなく、Howテクニックと言えるかもしれません。
「演技を組み立てるにはこの作業をしましょう!」…と
みなさんが学んだその作業の一つ一つを
より繊細に「どんな手順で」「どのように考えながら」やるのか。
「どのように自分を使えば」確実にやるべきことを達成できるか。
それもスムーズに。
ダメージ少なく。
質の高い作業を・・・。
夕陽のイメージを作るときに
どのように自分を使えばより信じられるのか。
せむしを演じる時にどのように自分を使えば
腰を痛めず、台詞もコントロールしやすいか。
怒鳴り散らす役でどのように自分を使えば
声を枯らさず、また声が割れないようにできるか。
どのように自分を使えば、より繊細に相手役を観察し
その台詞に自然に反応できるのか。
どのように自分を使えば、せりふや振り付けを覚えやすく
また、演出の要求に応えやすくなるのか。
俳アレは、俳優さんがやりたい…達成したい演技を
実現させるお手伝いをしてくれます。
停滞していたものは流れ良く
曖昧なものはクリアに
重たいものは軽快に
軽すぎるものには重厚感を与えてくれるのです。
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せっかく学んできたものを、是非とも実現させましょう。
あなたのプランした演技を、是非とも達成させましょう。
一所懸命お稽古してきた演技を、存分に披露しましょう。
そして…
あなたが本来持っている演じる才能を、全開で発揮させましょう。
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