2014年5月22日木曜日

「頑張っている実感」ではなく「成長している実感」を

俳優がオーディションにおいて
「演じる技術」だけを要求されることは
実はほとんどありません。

俳優は「その存在の持つ魅力」を
いつも大部分において求められています。

割合はといえば
審査する方にもよるでしょうが
「技術一割、魅力九割」とさえ言えるかもしれません。

しかし、そのことを本当にわかっている俳優(俳優志望)の方はさほど多くありません。

そのため
自分がいつも「何かしら足りていない」「未熟な」人間だと思い
その不足した技術を埋めようともがきます。
真面目な人ほどもがきます。
そして「その存在の持つ魅力」をどんどん失っていきます。
当然、望むような結果をなかなか得ることができません。

大抵の方はここから次なる展開をすることをなかなかしません。
さらに、自分には「努力が足りていないんだ」という解釈になります。
すなわち・・・不足感を埋める・・・という
これまでと同じパターンを結局は繰り返すことになります。

世間にも「努力することが美しい」
「努力することで報われる」という価値観がありますので
これもまた俳優の「結果のでない努力」を後押しします。

確かに、努力はすればするほど「実感」を得られます。
いわゆる「やった感」というやつです。
この感覚は時にとても心地よいものです。
ですが、あまりに心地よいために
そのうち「良い結果は出なくても、心地よい実感(やった感)が得られる」ことに
安心感や喜びを感じるようになっていきます。

しかし、やはり
「その存在の持つ魅力」はいつまで経っても目覚めることなくそのまま
当然、より磨かれることもありません。

演じる技術を磨く訓練はもちろん大切です。
しかし、それ以上に・・・それ以前に
「自分という存在の持つ魅力」を開発・発展させていく必要があります。

実を言うと(誰もが同意してくださると思いますが)
すべての人にすでに「その存在の持つ魅力」は備わっています。
しかし、残念なことに
それを存分に発揮することが出来ていないのです。

この原因の一つとして
「存在の魅力」を無視して「技術の習得」に先走ってしまうことはあげられます。
無闇な訓練、無闇な努力によって
(たとえそれが優れたトレーニング法であっても、この先走りでなされたなら)
その魅力がどんどん隠されていってしまうのです。

そしてそれに慣れていってしまうのです。
すなわち

自己不足感」に苛まれ
次に、それを補うように
「頑張っている実感」に陶酔して自分をごまかす
そして、これを繰り返す・・・ことになります。

どうか
「良い結果が出ないことに安心感を覚えてしまう(慣れてしまう)」ような
俳優さんにはならないでください。

確かにオーディションにはいろいろな事情もあるでしょう。
そもそも、
他人による評価・判断はあなたの力の及ばないところのものです。
気にする必要はありません。

でも、少なくとも
「あなたが望む演技が実現しなくても平気」な俳優さんにはならないでください。
それはあまりにも悲しすぎます。
そして、もし平気でないなら
やり方・・・考え方を変えていってみてください。

より努力することはもちろん
新しいことを始めたり、俳優でないことをやったりしても
このやり方・手順・考え方が変わらなければたぶん同じことです。

「自分にはそもそも魅力がない
だから何かを新たに身につけなくてはならない」
いつのまにか擦り込まれたこのような思い込みから自由になってください。

誰にでもその存在の持つ魅力はすでに備わっています。
それは何よりもパワフルなあなたの武器です。
一刻も早くそれを取り戻してあげてください。



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俳アレ・・・俳優のためのアレクサンダーテクニックは
「あなたという存在の持つ魅力」を最大限に引き出す強力なメソッドです。

心も身体も、あなたの全体が働きはじめ
あなたのしたいこと(俳優さんなら演技)に総動員されていくようになります。

あらゆる部分部分が協調され統合され
「ひとつ(ひとり)の魅力的な存在」として
パフォーマンスをすることができるようになります。

同時に俳アレは「技術の習得」をも大いに助けることができます。
非常に効率の良い訓練ができ
「頑張っている実感」ではなく
自分が「着実に成長している実感」を得ることが出来ます。

同時に、訓練によって得た技術を
必要な時に必要な分だけ発揮することも助けてくれます。
その俳優のすでにもつ能力を最大限に発揮させてくれるのです。

俳アレはどちらかといえばボディワークではなく
建設的にものごとを展開させるシンキングワークですので
自分が望む演技を実現させるための考えかたも習得できます。
それをもとに、
スムーズに機能する自分の身体を使ってそのプランを実行するのです。

技術の前に・・・技術のためにも
まず、あなたの存在の質
すなわち、あなた全体が自由自在にうごけること
そしてそのための建設的な考え方が大切です。

すべての俳優さんに、俳アレをお勧めします。

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