2013年2月6日水曜日

プライマリーコントロール・・・その3 (頭について)

二週に渡って<プライマリーコントロール>のお話をしてまいりました。

初めはどう聞いても、難解で怪しげなこのカタカナ言葉(英語ですが…)
日本語では初源的協調作用(…わたしはこっちの方がまだ馴染みます)
これがどんなものか少しだけイメージしていただくことはできましたでしょうか。

おさらいすると

1、アレクサンダーテクニックのレッスンでは
自分自身のプライマリーコントロールを体験できる。

2、プライマリーコントロールとは
自分の天賦の才能を溢れ出させるための蛇口みたいなもの。

3、頭が脊椎の上で自由に動けることで
プライマリーコントロールは働きはじめる。

ということでした。

まあ、厳密に言うと、2はわたしの解釈ですが
この記事をお読みの俳優さんがたには、ぜひとも一度
アレクサンダーテクニックをご体験いただき
この2の部分をご自分の言葉で表現していただけたらと思います。

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さて、今日はこの3に出てくる
「頭」と「脊椎」という言葉を探っていこうと思います。

…ついに出てきました、解剖学用語!

正直、わたしもあまり小難しい説明は
したくてもできないのですが
プライマリーコントロールをご紹介するのに
ひいてはアレクサンダーテクニックをご紹介するのに
これだけは避けて通れないので
どうかちょっとだけおつきあいください。

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ここにおいてわたしが頭と言っているのは
頭蓋骨(とうがいこつ)のことを言っています。

英語ではスカルとかクレイニアム、
日本語でもどくろとかしゃれこうべなどとも言います。

頭蓋骨と一言でいっても、実は30個弱の骨が
縫合と言われるかたちで接合されているそうです。

これらはほとんど動かないそうですが
ほとんどであって、全くではないとも聞きます。
(頭をいわゆる整体する施術も世の中にはあるそうです)

生まれたばかりの赤ちゃんはこれが全部閉じてなくて
頭は大人に比べると柔らかく
頭のてっぺんはボコボコ凹みます。
だから逆に「向きグセ」と言われるやつもつきやすいのですが
なおすのも月齢が早ければ早いほどしやすいそうです。

うちの子も赤ちゃん整体ってやつでやってもらいました。
でも、頭が小さくはなりませんでしたが・・・
親父譲りはどうにもなりません。

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さて、

頭に関して、俳優として
わたしが最低限おさえておきたいと思うことは二つです。

一つは、頭はいつも自分の一番上にある、ということです。

いっつも、どんな格好をしてても頭は自分の一番上にあります。
お腹のあたりになったり
股に移動したり
膝頭が本物の頭になったりしません。

・・・はい、
どなたか飛び蹴りツッコミありがとうございます。
そんなこと当たり前ですね。

でも、もしかしたら、どうでしょう?
この記事を読みながら
自分の頭が自分の一番上にあることに・・・気づいていた・・・方は
どれくらいいらっしゃるでしょうか?

ちなみに寝転びながらこれを読んでいたとしても
頭はどこにありますか?
たぶん、あなたの頭はあなたにとっての一番上にある
・・・と感じられるはずです。

前に体操でご紹介したロールダウンと呼ばれる動きをして
頭を床のほうに落としていったとしても
頭は自分にとっての一番上にあることが・・・わかると思います。

でんぐり返しをしても・・・ずっと頭は自分の一番上です。

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多少角度を変えた言い方をすれば
頭が自分の一番上にあることにいつも気づいているとイイですよ!
ってことです。

例えば、発声練習などをする場合
みなさんの中に、喉(のど)に意識を向けていたり
腹筋を意識していたりしている人はいませんか?

試しに、息を吸う時も、声を出すときも
自分の頭が自分の一番上にあること(だけ)に気づきながら
これらのうごきをしてみたらどうでしょう?

呼吸の感じや声の感じは何か変わりましたか?
それはどんな感じでしょうか。
いい感じ、やな感じ、楽になる、違和感がある…???

特別、なにかの感覚を保証するわけではありませんが
わたしの場合は、喉や腹筋を意識するよりは、少なくとも
頭が自分の一番上にあることに気づきながらのほうが

・・・声が楽に出ます。

頭は自分の一番上にある

当たり前のことなんですが、ぜひ改めてご確認ください。

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さて、頭についておさえておきたいもう一つが

頭に下顎は含めない、ということです。

上顎は含めてもいいですが、下顎は含めません。

もちろん、下顎は顎関節で「頭」と接しているんですが
プライマリーコントロールのことを考えると
アレクサンダーテクニック的には
含めないで考えた方がいいようにわたしは思います。

ですから、先ほどの「頭が自分の一番上」で声を出す場合も
下顎も一緒に一番上にするのはやめてください。
これは、そうしてしまうと、たぶん
どなたでも声が出しづらく、しゃべりづらくなると思います。

いろいろ観点はあるようですが
わたしは、下顎はからだの幹から生えた枝たちの一つ
・・・すなわち肢と言われる、腕とか脚とかの仲間
と見るのが好きです。

両腕両脚を四肢と言いますから
さしづめ下顎は五肢ってところでしょうか。

俳優の発声や滑舌のことを考えても
そうとらえるほうが各部の動きがいいようにわたしは思います。

昔、わたしは演技のレッスンで
「発声時は顎はいつもダランとしてなさい」という指導を受けたこともありますし
写真撮影の時など「唇を閉じた表情の時も、上下の歯は離しておくように」
などとアドバイスを受けたこともあります。

みなさんは下顎に関してどのようなアイデアをお持ちですか?
これまでどのようなご指導を受けてきましたか?
同時に、「口を動かす」ってことに関しても
どういう指令をご自分に送っているでしょうか?
もしかしたら、その内容によっては
「話す」パフォーマンスを落とす恐れのあるものもあるかもしれません。

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俳優として・・・
頭に関して、わたしが最低限おさえておきたいと思うことは

「頭はいつも自分の一番上にある」
「頭に下顎は含めない」

この二つです。

今回はここまでにします。

なんかわかりやすい絵はないものか考えたんですが…

アンパンマンに出てくる
骸骨キャラのホラーマンにも下顎はついているし
キン肉マンの敵、キン骨マンも同様で
今日お話ししているところの「頭」だけってのとは違いました。

まあ、せいぜいこんな感じかなと見つけたのが
パンクなお兄ちゃんが好んでつけるアクセサリーに
「頭」がありましたので
リンクしてさようならします。

http://item.rakuten.co.jp/figmart/602076/

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次回は「脊椎」のお話を…
脊椎だけに、スキマたっぷりに。

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